2021年10月14日
この記事では、配膳ロボット導入に関連する補助金や助成金についての知識をまとめています。相談方法や申請書類についての解説など、配膳ロボットの導入を具体的にイメージできる内容をお届けいたします。
飲食業界で注目を集める配膳ロボットには、導入コストがかかります。助成金や補助金について知っておきましょう。今回は、次の項目を中心に解説します。
配膳ロボット導入時のコストと補助制度についての内容をまとめています。
Index
はじめに、配膳ロボットとコストについて概要を確認しましょう。
配膳ロボットとはその名の通り、飲食店で活躍する一度にたくさんの料理を運べるロボットです。
サービスロボットは、人と協働・共存するために開発されています。そのため、愛らしい外観や優しいボイスが搭載されているのが特徴です。
狭いお店でも動けるスリムタイプや、下げ膳に特化したロボットも存在し今後の展開が期待されます。
配膳ロボットのコストは、導入プランにより異なります。
導入プランには、購入・レンタル・リースなどがあるので、導入時に相談する必要があります。なお、価格詳細については、現段階では数えるほどの機種しか公開されていません。
基本的にはレンタルで月10万円前後という機種が普及しています。購入プランで価格公開されているものでは、本体価格が100万円から500万円となっています。動きのある相場だと考えてください。
いずれのプランでも、保守・運用費用(月々の更新やメンテナンス、トラブル対処など)がかかります。
つぎに、配膳ロボット導入に関連している補助金などを紹介します。
なお、助成金と補助金に関しては、さまざまな種類が混在しているのが現状です。ここで紹介するものは、国の政策として軸になっている制度の例です。
事業の展開、生産性向上などを目的とした事業者への補助金です。
商工会議所で、申請書類の書き方のサポートを受けられます。申請書類は、事業計画書など企業の戦略、見通しなど大切な審査事項になる重要なものです。
働き方改革や保険制度の変更、最低賃金のアップなどの制度へ対応するため、事業者が取り組む戦略経費への補助制度です。
ウイルス感染拡大防止のためにつくられた新しい補助制度です。
(参照URL 経済産業省HP『コロナ禍におけるサービスロボットの導入・実証事例』https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225004/20201225004.html)
ものづくりや新事業の展開、革新的な事業活動への補助金です。審査項目を満たしていることを確認し、事業計画書を作成する必要があります。
事業計画書の記述内容として、技術・事業化・政策のそれぞれの面で明確なビジョンを示すことが求められます。初めて申請する場合には、商工会議所などの相談窓口を活用しましょう。
IT導入補助金は、企業が抱えている問題解決のために、ITツールを導入する際の支援金です。
IT導入企業のビジョンを明記すると同時に、ITベンダー(システム開発事業者)と一緒に申請書類を作ります。なぜなら、システムの詳細設計なども審査にかかわる重要な要素だからです。
(参照URL:https://mirasapo-plus.go.jp 経済産業省、中小企業向け補助金・総合支援HP「ミラサポplus」)
なお、補助率とは、助成対象経費のうち支給される割合です。この割合が高いほど、国の政策に近いという仕組みと考えられます。
ロボット推進事業を積極的に実施している地方自治体があります。このような公共団体でも、独自の補助金や貸付制度、融資などに関する情報を入手できます。
・愛知県 「サービスロボット社会実装推進事業」
URL:https://aichirx.jp/index.html
・福島県「福島ロボットテストフィールド」
URL:https://www.fipo.or.jp/robot/news/public-offering/post-4205
上記は、ほんの一例です。全国各地でロボット導入推進事業が展開されています。まずは、本拠地のある地域の情報を探してみてください。
ここで、補助金と助成金の概要と違いを明確にしておきます。事業者の方は既にご存じの制度ですが、さらに種類が増えることを見据えて改めて確認させてください。
産業別に多種多様な支援がありますので、サービスロボット導入に関連するものだけに絞って記載します(2021年10月現在のものです)。
補助金の概要は次のとおりです。
【主な管轄】経済産業省・地方自治体・民間団体など
【目的】国が決定した政策の推進・事業主支援など
【申請方法】公募(トータル予算が決まっているので選考がある)・審査請求など
【特徴】大きな額での支給・倍率は高い・資金源は法人税など・返済は原則不要
助成金の概要は次のとおりです。
【主な管轄】厚生労働省・地方自治体・民間団体など
【目的】働き方や雇用環境の改善・人材の育成など
【申請方法】給付条件の確認(条件が揃えば給付される)
【特徴】小さな額での支給・短期スパンで助成金内容の変更がある・資金源は雇用保険など・返済は原則不要
ご覧いただいたように、日本では多種多様な制度があります。国レベルで、サービスロボットを取り入れていきたいという意向がみえてきます。
では、なぜロボット導入に対して補助制度があるのでしょうか。
補助金と助成金というのは、社会全体にプラスになりそうな事業の発展に投資されるものです。時間の経過とともに、ひとりひとりが健全に良質な暮らしを営むことにつながっていくという未来への投資ともいえるでしょう。
また、企業にとってもPR効果があります。審査の厳しい補助金制度を利用することは、戦略的な意思決定実績として企業評価につながります。
つまり、公共の利益のためになる事業展開をバックアップするためのサポート制度といえます。ロボット導入に対して補助があるのは、このような仕組みが理由です。
「SDGs」というワードを、さまざまな場面で触れることが増えたはずです。SDGsも、飲食店ロボット導入と関係があります。
SDGsとは、Sustainable(持続可能な) Development(開発の) Goals(目標)のことです。国連で策定された世界全域で取り組む社会ビジョンで、より良い世界を持続的に目指す世界みんなの目標とされています。
SDGsには17の目標が設定されていますが、その中には、飲食店ロボットに関係する目標があります。たとえば、
この2点について、配膳ロボットは目標達成の一翼を担うと考えられます。
従業員の作業的負担を減らし、顧客満足度を高めるための業務に集中できるので、働きがいにつながります。
また、飲食店という身近な場面で配膳ロボットとともに過ごす時間は、産業と技術革新の基盤につながるということがみえてきます。
SDGsは、多種多様な角度から考える概念なので、見る角度によっては他のゴールが関係するかもしれません。ここでは、食材をグリーン調達するといった環境配慮に関連したお話は割愛し、配膳ロボットに関してお伝えしました。
飲食業界とSDGsの関係が、配膳ロボットの導入推進につながっている理由は、十分揃っています。国としても社会全体への利益がもたらされる取り組みと判断し、助成金や補助金の制度を拡充したいという状況なのです。
つまり、国家にとっては、このような形で身近なロボットを社会や日常に増やしていくことが国際的な評価に関係するというわけです。
さいごに、どこに相談すればよいのか知っておきましょう。
具体的に導入を検討する場合、販売代理店への相談は必須です。
細かな仕様の説明が欲しい場合にも、販売代理店に相談するのがベストです。ロボットのテスト導入、独自のキャンペーンなども行われています。
まずは実物をみてみたい場合には、展示会に足を運んでみるとよいでしょう。展示会は、さまざまな団体が開催しています。
たとえば、次のような展示会情報があります(2021年10月時点)。感染症状況による変更情報をチェックしてから出向いていただければと思います。
・日本ロボット工業会HP「イベント情報」
URL:https://www.jara.jp/various/event/index.html
・商工会議所
どのような補助金や助成金があるのか、申請書類の種類などの相談は、まずは商工会議所に問い合わせてみてください。
・経営コンサルタント
ITツール導入は、飲食業界では会計管理周辺はすでに広く普及されています。ですが、配膳ロボットは、急ピッチで需要が高まっているツールです。
飲食業界に特化したコンサルティング会社、感染症対策を得意とするコンサルタントを選ぶとよいでしょう。
・地方自治体の相談窓口(地域により独自の補助制度がある場合)
都道府県、市町村などで相談先を案内してもらえる場合があります。
特に、IT推進事業への取り組みが積極的な地域には、詳しい相談をできる窓口が設置されている場合があります。
上記は一例ですが、今後も相談窓口は増えていくでしょう。情報のチェックは欠かさないようにしましょう。
今回は、次の項目を中心に解説しました。
制度が混在している助成金や補助金、コストについて、現時点でできる限り正確な情報をお伝えしました。導入を検討しているみなさまと共有できれば幸いです。
サービスロボットについてのご興味・ご不明な点・ご質問などありましたらお気軽にご連絡下さいませ。