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配膳ロボット「エレベーター移動」へ、ホテル導入のメリットと課題

2021年11月16日

配膳ロボット「エレベーター移動」へ、ホテル導入のメリットと課題

配膳ロボットが現場にあわせた活躍ができることは、汎用性の高い配膳ロボットならではの魅力です。飲食店以外でもホテルや介護施設・図書館などでも活躍できます。この記事では、ホテルにおける配膳ロボットの活躍と、導入に必要不可欠なエレベーター問題にフォーカスして解説します。

協働メリットと活用方法

はじめに、配膳ロボットと共に働く(協働)メリットと活用方法について解説します。

配膳ロボット協働のメリット

配膳ロボットと協働のメリット

配膳ロボットは、自律移動が可能で食事などを運びながら、タッチパネルや音声での案内もできるコミュニケーションロボットです。音声案内は複数国言語に対応しており、シチュエーションによって言語を変更することができます。

配膳ロボットの導入には、主に次のようなメリットがあります。

このように、あらゆる方向性から活躍が期待されます。

配膳ロボット活用方法

配膳ロボット活用方法

配膳ロボットは汎用性が高く、活躍の場は無数にあげられます。現状では、飲食店をはじめとして、ホテル・病院・介護施設・図書館・ネットカフェなどで実際に導入が進んでいます。メーカーや機種により利用方法は異なりますが、市場で活躍している配膳ロボットのおおまかな利用方法は、次のとおりです。

まず、配膳ロボットの役割や業務などの活用方法を決めます。たとえば、スタッフと同じく配膳業務メインで利用する他、来店時の出迎えから席案内をメインで担当、下げ膳特化での利用など、ホテルの環境や従業員の数に応じて決定します。

つぎに、作業範囲のレイアウトや移動ルート、速度などを設定します。現場スタッフは、操作を覚える必要がありますが、シンプルな操作なので負担はほとんどないでしょう。スタッフが配膳先をタッチパネルで指定し、料理や飲み物をトレイに置けばOKです。配膳ロボットは、スタッフと同じように最短ルートを計算しつつ、複数のテーブルをまわることができるので、無駄がありません。

配膳業務や単純作業を自動化すれば、スタッフは質の高いサービスを安定して提供することが可能になり、従業員満足度がアップ、企業全体の業績向上にもつながると期待されています。多種多様に活用できるので、配膳ロボットがどのように活躍の場を広げていくのか、業界内外問わず注目度が高まっています。

ホテルと配膳ロボット

つぎに、ホテル導入についての効果と課題をピックアップします。

ホテルでの導入効果と課題

ホテルでの配膳ロボット導入の可能性

配膳ロボットのホテル導入は費用対効果が高く、相性が良いマッチングとされています。その理由をみてみましょう。

ホテルは飲食店と比較すると、面積が広く、床も平坦であることが想定されますね。フロアが広い場所では、ロボットの移動距離は長くなります。これまで人が歩いていた距離を配膳ロボットが代わりに移動することは、導入の費用対効果を最大限に発揮できる理由となります。そのため、飲食店よりも設備投資としての導入ハードルは低くなります。

配膳ロボットの果たす役割と可能性は、まさに無限大です。汎用性の高い配膳ロボットは、メーカーや機種によって機能はやや異なりますが、カスタマイズして各ホテルの仕様に応用できます。

たとえば、1階ロビーでのドリンク提供と案内の無人化、入浴場のタオル回収やリネン運搬用としてもカスタマイズが可能。もともと料理を運ぶためのロボットなので、重量を超えなければ、やや繊細なモノでも安全に運べるでしょう。

さらに、エレベーターシステム会社と連携すれば、エレベーターをロボットが自律的に利用できるようになります。すると、別の階への移動も可能になり、個室への食事やドリンク、タオルなど備品の配送を自動化できます。非接触も同時に実現できますね。

このように、プライベート空間が確保できるので、より過ごしやすい「休息」空間をもたらすでしょう。配膳ロボットは、ホテル業態にも相まったサービスロボットなのですね。

配膳ロボット活躍シーンを紹介

ホテルでの実証実験(PuduBot)

ここで、自治体での導入実証例を紹介します。

ホテルで活躍できると実証しました!

町おこしの一環として、役割の異なるロボットを様々な業種で取り入れている南相馬市(福島県)での事例を紹介します。南相馬市では、2020年から2021年にかけて、ホテルでの配膳ロボット導入実験が行われました。南相馬市の公開情報を参考に、実験概要を紹介します。

南相馬市にあるホテル「ラフィーヌ」では、料理配膳と受付・案内をロボットが担当する実証実験が行われました。ここでは、PUDU製の「PuduBot」を利用し、操作性や安全性、従業員負担軽減などの項目をそれぞれ検証しています。

この導入実験の結果、効果と課題が明らかになりました。

実証項目別の効果として、

という結果を示しました。

一方で、明らかになった課題としては、

など、物理的な面があげられました。

ポジティブな課題として「エレベーター連携」ができると良いとされました。(参考:南相馬市HP『サービス分野へのロボット機器導入実証事例集』)URL:https://www.city.minamisoma.lg.jp/material/files/group/23/jireishuu.pdf

配膳ロボットをルームサービスで利用する

この事例から見えてくるように、ホテルでは、ルームサービスでの配膳ロボット導入が主軸となります。そのため、エレベーター移動問題をはじめとする飲食店導入とは違った課題が見えてきます。ですが、ホテル業界側も配膳ロボットの汎用性の高さを認めており、ロボットフレンドリーな環境を推進する動きが進んでいます。

番外編!図書館でも働ける!

BellaBot図書館で利用

配膳ロボットの活用方法は無限大です。その一例として、泉大津市(大阪府)にある図書館での活用事例にも触れておきます。

泉大津市の図書館では、業務の一部を配膳ロボットを使ってオートメーション化する動きを推進しています。不明本の追跡や蔵書検索など、これまで負担の大きかった業務を自動化することで、図書館イベントやサービス提供に人的資源を充足させる狙いがあります。

利用者が検索システムで書籍を検索、バーコートを読み取るとという配膳ロボットが、該当書籍のある棚まで案内してくれます。なお、この図書館では「BellaBot」(PUDU製)を利用しています。(参考:泉大津市HP『~ロボットシステムを活用し図書館業務をオートメーション化~』) URL:https://www.city.izumiotsu.lg.jp/kakuka/koushitsu/hishokoho/senryaku/ppp_torikumi/hci/5900.html

企業の売上貢献や人手不足対策にとどまらず、図書館などでも活躍できる配膳ロボットは、文化の発展にも寄与していくようですね。

「エレベーター問題」は既に解決へ

ホテル導入時のロボットとエレベーターの連携

さいごに、現時点でのエレベーター問題をめぐる状況を紹介します。

ホテルでの導入において、もっとも大きな物理的課題として「エレベーター問題」があります。先述した南相馬市での実証実験でも、エレベーターが使えたらさらに活躍できるというコメントがなされていました。でも大丈夫です。実は、すでに解決へ向かっています!

エレベーター連携のための規格ができました

経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、2019年より、ロボットを様々な業種で活用できるようにロボットフレンドリー(ロボットを導入しやすい環境)に関する施策を講じてきました。

この施策の一つとして2021年6月、メーカーを問わずロボットとエレベーターが通信連携するための規格が策定され公表されました。(参考:RRI『ロボット・エレベーター連携インタフェイス定義 RRI B0001 :2021 (Draft Rev.2.0)』 20210603-102430.pdf (jmfrri.gr.jp)

この規格によるエレベーターとロボットの連携システムは、既存のエレベーターにも適用できるとのことです。早い段階で、ホテル・病院・駅など、あらゆる施設でロボットが自律移動できるようになるということです。

まとめ

今回は、ホテルにおける配膳ロボット導入のメリットと課題を紹介しました。

このように、非接触なライフスタイルに相まって、配膳ロボットが普及していくとともに、ロボットと協働するための環境が、具体的に整備されています。サービスロボットが活躍する場は、急速に広がっていくでしょう。

サービスロボットについてのご興味・ご不明な点・ご質問などありましたらお気軽にご連絡下さいませ。

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