2021年11月23日
この記事では、ゴルフ場で活躍する配膳ロボットについて紹介します。飲食店のみならず、どこでも協働できるのがサービスロボットの魅力です。スポーツ関連施設で導入が期待される消毒ロボットについての情報もピックアップしてお届けします。スポーツ関連施設での協働ロボット導入に興味を持っていただけたら嬉しいです。
Index
いま、各地のゴルフ場で、配膳ロボットの導入が広がりつつあります。理由を大きく2つに分けて、費用対効果と感染症対策の視点から解説します。
配膳ロボットが、飲食店やホテルでの効果が大きかったことから、あらゆる施設での導入が進んでいます。そのうちの1つがゴルフ場です。
ゴルフ場では、天候による顧客数の振れ幅が大きく、人件費がネックとなっていたクラブが少なくありません。加えて、繁忙期の人手不足は慢性的、早朝からの労働という特徴も相まって、保育所を設置するクラブも出現するほど、人材定着に苦労してきました。
慢性的な人材不足、しかも天候によっては、逆に従業員が過剰となってしまいます。人件費問題が深刻を極める中、感染症拡大でゴルフ場内レストランはさらなる打撃を受けました。
ゴルフクラブでは、天候によって業務要員の振れ幅が大きく、シフト調整業務そのものが大きな負担です。だからこそ、非接触が最優先事項となったタイミングで「配膳ロボット導入」へ動き出したとみられます。
人材配置が難しいゴルフクラブの特徴から、配膳ロボット導入の費用対効果は、飲食店よりも顕著に出ることが予想されます。
ゴルフは、感染症とともに生きる時代だからこそ、好まれるレジャーとなりました。屋外で楽しめること、山の中にあるので私用車で自宅から直接来場できること、密着スポーツではないことなどが理由です。
参考までに、経済産業省の資料をご覧ください。
屋内スポーツであるボウリング場やフィットネスクラブについては、緊急事態宣言以降、低調が続いています。屋外スポーツであるゴルフ場は早い段階で回復をたどっていることがわかります。
ただし、次の資料から見てとれるように、1回の来場における飲食売上はプレーに比べて低水準となっており、ゴルフ業界にとって今後の課題であることがわかります。
感染症とともに生きる時代において、ますますスポーツやレジャーといった気分転換は暮らしに潤いを与えてくれることを実感させられます。
三密にならないスポーツであるゴルフの需要は、さらに高まる可能性があります。経営サイドは、これまでの在り方を脱却、自動化システムやロボットの導入など、抜本的なイノベーションに注目しているようです。
こうした背景から、ゴルフ場と協働ロボットの相性は大変マッチすることが想定されます。協働ロボットの新たな活躍の場となるでしょう。
ワクチン接種をはじめ、感染症予防策が進み、スポーツイベントが各地で開催されつつあります。非接触を含めて安心してレジャー施設を利用できることが、スポーツの場における重要な課題です。
サッカーの試合が開催される一部のスタジアム内レストランでは、配膳ロボットの導入が進んでいます。サッカー場を見渡しながら飲食が可能なレストランでは、試合観覧の妨げにならないよう配膳するには、人よりも背丈の低いロボットの方がベターでしょう。
スタッフが注文やコミュニケーションを担い、配膳・下げ膳はロボットが行うことで、人の出入り回数も減り、お客様も試合に集中することができます。スタジアム併設レストランでも、配膳ロボットとの相性は良いといえます。
人が集まる場所だからこそ、配膳ロボットが活躍する景色を目にすることが増えいくでしょう。イベントや試合が開催されるスタジアムなど、スポーツ施設での導入効果にも期待できそうですね。
ここでは、配膳ロボットに続き、スポーツやレジャーなど暮らしに密着したロボットの1つに加わることが予想される「消毒ロボット」を紹介します。Puduの「Puductor2」の機能を例に、特徴と利用方法を解説します。
消毒ロボット「Puductor2」は、紫外線照射とミスト噴射で除菌作業を行います。スポーツ施設における消毒ロボットの活躍シーンは、スポーツジムやボウリング場の他、テニスクラブ、フットサル施設などが有力です。
スポーツジムは、フィットネスエリア・ジムエリア・スタジオエリアなどスペースが分かれています。そのため、手押しドアや段差といった、施設の物理的課題があります。すぐに、ロボットフレンドリー環境(ロボットを導入しやすい状態)を用意できなくても、各エリアに1台ずつ設置するなど、必要に応じてロケーションすることで、ロボット協働の第一歩となります。
フィットネスエリアやジムエリアでは、人や設備を避けて清掃作業を常に利用する方法や、時間やスペースを限定して、顧客の気にならない範囲で利用する方法など、規模や経営スタンスに応じて導入できます。
また、スタジオプログラムでは、人の入れ替え時間に、スタッフが急いで清掃作業をするのが従来の光景でした。そのような場面で、消毒ロボットがスタッフに代わって清掃を担当できれば、スタッフは次のプログラムの案内やサービスに専念できます。
閉館後の清掃作業では、複数台を同時に稼働させ、人手不足になりがちな遅い時間帯にも、少人数で効率的に業務を終えることが可能になります。
配膳ロボットと消毒ロボットは、両者とも人と同じ空間で共に働きます。こうした協働作業のできるロボットは、サービスロボットに分類されます。サービスロボットについて今後の展望に触れておきます。資料をご覧ください。
資料によると、サービス分野がもっとも人手不足が深刻化するとしています。以下、医療・福祉分野、卸売・小売、製造と続いており、生活に密着した業種が特に深刻な状況にあることがわかります。
経済産業省では、人手不足のなどの課題に取り組むべきアプローチとして、デジタルフォーメーション(テクノロジーを利用した新しい経営構造や戦略的業務フロー)やリモート化、自律化などを挙げています。
(参考URL:100929250.pdf (nedo.go.jp) NEDO 2021.2『スマートテレオートノミー』)
日常生活に使う身近な飲食や買い物シーンでも、人手不足と非接触を解決する重要な立ち位置に、協働ロボットの存在が欠かせないことを実感するフェーズに入っています。
サービスロボットの市場動向としては、人手不足や感染症対策としての需要が拡大傾向に。すでに、研究開発費のピークを超えている既存技術ということからも、求めやすい価格が実現、導入ハードルは下がるとみられています。
行政の動きからも、配膳ロボットや消毒ロボットをはじめとした、各種のサービスロボットの協働が本格化されそうです。
今回は、ゴルフ場で活躍する配膳ロボットを次のポイントと併せて紹介しました。
これからは、さまざまな場所で配膳ロボットや消毒ロボットに出会えそうですね。サービスロボットについてのご興味・ご不明な点・ご質問などありましたら、お気軽にご連絡下さいませ。