2022年3月10日
今回は、日本国内での需要が期待されている、日本製&中国製の個性豊かな配膳ロボットをピックアップして紹介いたします。配膳ロボットの種類により、その特徴はさまざまです。ぜひ、配膳ロボット比較の参考にご覧ください。
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長引くコロナ禍により、サービスロボット各分野の躍進が続いています。すっかりwithコロナ時代となった2021年度は、かつてないロボット需要年度となりました。国際ロボット連盟をはじめとしたロボット分野からは、2022年度以降のサービスロボットの需要は40%以上の増加が見込まれるとのことです。
国内では、サービスロボットのなかでも飲食店での需要増加が目立ちます。これまで、飲食業界では、ていねいな「おもてなし」が飲食店営業の要とされ、技術的には自動化が可能でしたが、あえて自動化には踏み切ってきませんでした。
ところが、withコロナ時代の飲食店営業では、非接触の実現がなされる環境が求められています。その中で、配膳ロボットが躍進しました。配膳ロボットにはエンターテイメント性があるので、非接触でありながらも「おもてなし」要素もバッチリです。これまでと変わらず、活気と温かみのある飲食シーンを実現できますね。
配膳ロボットといっても、種類・長所はさまざまです。特に注目度の高い配膳ロボットの個性を次の章でピックアップします!
日本ではコロナ禍をきっかけに、配膳ロボットの導入が進んでいます。ロボット大国である中国では、2010年代から配膳ロボットたちが活躍してきました。歴史ある中国製配膳ロボットも、日本の大手飲食チェーンから採択されています。ここでは、人気のある配膳ロボットの種類を紹介します。
「Servi」(サービィ)は、Bear Robotics(米カリフォルニア州)とソフトバンクロボティクス(東京港区)のパートナーシップにより開発された配膳ロボットです。Bear Roboticsは、これまでに様々な飲食店サービスロボットの開発実績があります。
「Servi」は、非接触・非対面のニーズに対応した配膳ロボットです。配膳と下げ膳をスムーズに行うことができ、どのような雰囲気の店舗にも馴染むシンプルなデザインが好評。さらに、タッチパネル操作で日本語・英語・韓国語の切り替えが可能です。
食べ放題店舗では、下げ膳専門員としても活躍しています。食べ放題店舗では、食器が食卓に溜まってしまいがちです。そのため、従業員が店内を頻繁に巡回しなくてはなりません。このようなシーンでも「Servi」がテーブル巡回・食器回収をすることで、より品質の高いサービスを実現しています。
これまでの導入事例として、かみむら牧場(焼き肉店)・100本のスプーン(ファミリーレストラン)・焼肉キング(焼き肉店)・八芳園(結婚式場)などがあります。
・「Servi」の強み
「天井の高さを気にせず設置可能」
配膳ロボット設置では、位置決めという自律走行するための設定を行います。「Servi」はSLAMという位置決め方法を採用しているため、天井の形状を気にせず設置可能です。
(参考元:ソフトバンクロボティクス株式会社)
「PEANUT」は、Keenon Robotics(中国上海)がプロデュースする配膳ロボットです。Keenon Roboticsは、配膳ロボット・受付ロボット・ホテル用ロボットなど、用途別にさまざまな機種を開発してきました。なかでも、日本国内で人気を誇るのが「PEANUT」です。エレベーターにも対応しています。
Keenon Roboticsは、配膳ロボットの世界市場シェア80%を占めるロボット開発企業です。2010年代より、世界各地に配膳ロボットを送り出してきました。飲食店や空港、医療機関などの業務効率化・人手不足対応に貢献しています。
これまでの「PEANUT」の日本国内導入事例として、幸楽苑(ラーメン店)・炭火焼肉悠々館(焼き肉店)などがあります。
・「PEANUT」の強み
「手をかざす操作で非接触を徹底」
ロボットの頭部分に手をかざすことで出発アクションが可能です。タッチパネル式ではないので接触回数を減らせます。
(参考元:フロアーロボット「PEANUT」日本システムプロジェクト/Keenon Robotics 株式会社)
「Lanky porter」は、KINGSOFT(東京港区)がプロデュースする配膳ロボットです。KINGSOFTは、中国の大手IT企業である、KINGSOFT corporation Limitedのジョイントベンチャー企業です。これまで数多くのIT製品を、中国から世界へ送り出してきました。日本でも2005年から新規事業を展開し、配膳ロボット分野に本格参入しています。
「Lanky porter」は、配膳業務はもちろん、テーブル案内や販売促進も得意です。ディスプレイを活かした広告宣伝ができるので、ワンオペ店主様にぴったりです。また、0.7cmまでの段差なら走行が可能です。
これまでの「Lanky porter」の日本国内導入事例として、道楽やねこん家(食事処)などがあります。また、愛知県内で行われたロボット社会実装推進事業において、豊田スタジアム内レストランでの導入実証実験に参加しています。
「Lanky porter」の強み
・大型ディスプレイによる動画案内
飲食店でのフェアメニューの販売促進に役立つ機能が搭載されています。スーパーでの試食販売としても導入例があります。
(参考元: Lanky Porter)
「BellaBot」は、PuduRobotics(中国深圳)がプロデュースする配膳ロボットです。ネコ型の外見を持ち、コミュニケーションが得意な機種です。かわいらしい姿は、すぐに人々から受け入れられ社会に溶け込んでいます。会話のキャッチボールができたり、お誕生日ソングを歌いながらケーキを運べたりと、子どもはもちろん大人からも好評です。
SLAM式でどの用な形状の天井でも対応でき、複数台(20台まで)同時に導入することが可能なので、席数の多い広い店舗やイベント施設での導入が進んでいます。
これまでの「BellaBot」の日本国内導入事例として、ガスト(ファミリーレストラン)・しゃぶ葉(鍋料理)などの大型チェーン店があります。個人店での導入も進んでいます。
・「BellaBot」の強み
ネコ型のかわいらしい姿が最大の魅力です。まだまだ日常にロボットが浸透していないので、親しみやすい外見により、人間社会から受け入れられるための第一歩を軽々と乗り越えます。
(参考元:Pudu robotics)
「KettyBot」は、同じくPuduRobotics(中国深圳)がプロデュースする配膳ロボットです。走行可能幅55cmとコンパクト走行を実現しながらも、大型ディスプレイを備え、新商品PRや案内業務もスマートにこなします。
位置決め方式はSLAMを採用、大型サイネージでの広告宣伝も可能。店舗天井のつくりを気にせず、案内・宣伝など使用用途も自由自在です。サイネージを活用した『ファーストオーダーロボット化』が可能。飲食店に必要な機能が凝縮された配膳ロボットです。
複数台(20台まで)同時に導入することが可能なので、お客様を待たせることなく、ご案内と商品アピールが可能です。
これまでの「KettyBot」の日本国内導入事例として、焼肉の和民(焼き肉店)やゴルフクラブ内レストランなどがあります。ファーストオーダーから配膳までのフローをロボット化している店舗もあります。
・「KettyBot」の強み
走行可能幅が55cmと狭い店舗での活用が可能な点が強みです。席数の多い大型店のみならず、喫茶店など小型店舗での活躍も期待されます。
(参考元:Pudu robotics)
ここまで、日本国内で需要を拡大している人気機種を紹介しました。配膳ロボットは、どの種類も人間社会との共存を目的に創られています。業務効率化と非接触・非対面の実現とともに、飲食シーンのクオリティ向上を図ります。
(参考:SoftBank Robotics,Keenon Robotics,KINGSOFT,PuduRobotics/図表:WITH ROBO作成)
上記に挙げた種類の配膳ロボットは、人やテーブルなどにぶつからず、安全に自律走行が可能です。理由は、空間認識やセンシング機能により障害物を感知することができたり、優れたサスペンションにより、なるべく料理がくずれないよう移動できたりと、複数のテクノロジーが組み合わされているからです。今後も、技術の組み合わせ次第でさまざまな機能が搭載されるかもしれません。
この記事では、日本国内での導入が特に進んでいる配膳ロボットを種類別に紹介しました。現時点では、2010年代から活躍している海外のロボット企業がシェアを占めています。配膳ロボットは、機種ごとに走行可能幅や運べる量が異なります。店舗に合った配膳ロボットに迷われた際は、ぜひご相談ください。
サービスロボットについてのご興味・ご不明な点・ご質問などありましたらお気軽にご連絡下さいませ。